マンションの価格以外で主にかかる税金は次の通りです。
順に詳しく見ていきますが、まずは一覧で把握しましょう。
- 印紙税(売買契約書に貼る印紙)
- 登録免許税(所有権移転登記・抵当権設定登記など)
- 不動産取得税(購入後に都道府県へ一度だけ払う税金)
- 固定資産税・都市計画税(毎年かかる税金)
- 消費税(新築マンションや事業者から買う場合、建物部分にかかる)
- その他(贈与税・譲渡所得税など、特殊ケース)
それぞれ「いつ」「誰が」「いくら目安で」「手続きはどうするか」を具体的に見ていきます。
1)印紙税(契約書に貼る収入印紙)
何にかかるの?
売買契約書や請負契約書など、一定の契約書に印紙を貼って納める税金です。
不動産売買契約書はほとんどのケースで該当します。
いつ払う?
売買契約を締結したとき(契約書に貼って)売主/買主で取り決めた方が負担します。慣例として買主が負担することも多いですが、契約で決めます。
いくらくらい?
印紙税は契約金額に応じた定額表に基づきます。
(例)契約金額が数百万円〜数千万円で区分があり、契約金額が大きいほど貼る印紙も高額になります。
※印紙税の金額は区分表により決まるため、具体的な金額は契約金額に合わせて確認します。
FPミサトのワンポイント
- 契約金額の表示方法(消費税込みか税別か)で印紙税の額が変わる場合があるので、契約書の記載方法に注意しましょう。
2)登録免許税(登記にかかる税金)
マンション購入で登記に関わる主な税金です。登記は司法書士が代行することが多いです。
どんなときにかかる?
- 所有権移転登記(売主名義から買主名義へ所有権を移す)
- 抵当権設定登記(住宅ローンを組む場合、金融機関が抵当権を設定する)
誰が払う?
- 所有権移転登記:一般的には買主が負担
- 抵当権設定登記:ローンを借りる人(買主)が負担
いくらくらい?
登録免許税は「課税標準 × 税率」で計算します(課税標準は登記の対象になる価格または評価額)。
税率には**法定税率と軽減税率(一定条件で適用)**があります。
(ここでは計算の考え方を示します。数値は交渉や法改正で変わる可能性があるため、あらかじめ専門家に確認してください。)
計算の仕方(概念)
- 課税標準(登記される価格)を確認する
- その課税標準に税率(%)を掛ける → 登録免許税額
例(イメージ)
課税標準:1,000万円、税率:0.4%と仮定すると、登録免許税は
1,000万円 × 0.004 = 4万円(この計算はあくまで例です)
FPミサトのワンポイント
- 「所有権移転」と「抵当権設定」では税率が異なることが多いです。
- 住宅ローン控除や住宅取得の軽減措置がある場合は登録免許税の優遇が受けられるケースがあります(新築や一定の耐震・省エネ基準を満たす場合など)。
3)不動産取得税(購入後に一度だけ払う税)
どんな税?
購入した不動産(マンションの土地や建物)を取得したときに、都道府県に払う税金です。一度きりの税です。
いつ払う?
購入してから数ヶ月後に都道府県から納税通知書が届き、指定期日までに納めます。タイミングは自治体により異なります。
いくらくらい?
不動産取得税は「課税価格 × 税率」で計算します。課税価格は通常、固定資産税評価額に基づくことが多いです。税率にも特例があり、新築やマイホーム向けの軽減が適用される場合があります。
イメージ計算(概念)
- 固定資産税評価額(例:土地=X円、建物=Y円)を合計する
- 合計 × 税率(例:3%) = 不動産取得税(※軽減があれば控除後に税率をかける)
例(イメージ)
評価額合計:2,000万円、税率:3%とすると、
2,000万円 × 0.03 = 6万円(ただし住宅用の軽減で差し引きがある場合があります)
FPミサトのワンポイント
- 新築や一定条件の中古住宅では取得税の軽減が受けられるケースが多いです(軽減措置は期限や条件あり)。
- 納税通知が来たら、まず評価額と計算内訳を確認しましょう。誤りがあることも稀にあります。
4)固定資産税・都市計画税(毎年かかる)
マンションを買ったら翌年以降、毎年かかる税金です。住宅ローンを組んでいる間も、所有している限り課税されます。
固定資産税(毎年)
- 対象:土地や建物の固定資産税評価額に対して課税
- 税率:標準税率は1.4%(自治体により若干の違いあり)
- 支払い:通常年4回に分けて納税通知が届きます
都市計画税(都市計画区域に居住する場合)
- 対象:同じく固定資産税評価額に対して課税
- 税率:標準税率は0.3%(上限)
- 用途:都市計画事業に使われます
計算のイメージ(概念)
- 固定資産税評価額を確認(例:建物評価額 1,000万円、土地按分がある場合は専有部分に対応する評価額)
- 固定資産税額 = 評価額 × 1.4%
- 都市計画税額 = 評価額 × 0.3%(該当する場合)
例(イメージ)
評価額 1,000万円 → 固定資産税 1,000万円 × 0.014 = 14万円/年、都市計画税は 1,000万円 × 0.003 = 3万円/年(合計17万円/年)
FPミサトのワンポイント
- 新築マンションには最初の数年間、固定資産税の軽減が適用されることがあります(自治体・建物の条件による)。
- 購入時に「固定資産税評価額」を確認して、年額負担のイメージを持っておきましょう。家計に年間どれだけ影響するか把握するのが大事です。
5)消費税(新築マンションなどでかかる場合)
どんな場合に?
中古マンションの個人売買では消費税は通常かかりません(個人から個人への譲渡は非課税)。
しかし、新築マンション(事業者からの購入)や売主が事業者の場合は建物部分に消費税がかかります。土地部分は非課税です。
誰が払う?
建物の代金に消費税が上乗せされて請求されます(事業者が納税者)。
FPミサトのワンポイント
- 新築マンションを検討するときは「本体価格(税抜)」と「税込価格」をよく確認して、総支払額を把握しておきましょう。
- 中古でも「売主が事業者」かどうかで消費税の有無が変わるので契約前に確認!
6)その他:贈与税や譲渡所得税など(特殊ケース)
贈与税
- 親などから資金援助を受けてマンションの頭金を出してもらう場合、贈与税の対象になることがあります。贈与税には年間基礎控除(110万円)などがあるので、まとまった金額を受け取る場合は税理士に相談しましょう。
譲渡所得税(将来売るとき)
- 将来マンションを売って利益(譲渡所得)が出ると譲渡所得税がかかります。長期保有・短期保有で税率が異なります。将来の売却時のことも視野に入れておくと良いです。
実際にかかる税金の「時系列」—いつ何が来るか
購入の段階からその後まで、税金が発生するタイミングを時系列で整理します。
- 契約時
- 印紙税(契約書に貼る)
- 手付金や仲介手数料の支払い(税金ではないが経費)
- 登記時(引渡し・決済時)
- 登録免許税(所有権移転登記、抵当権設定登記)
- 司法書士への報酬(税金ではないが登記費用)
- 購入後数ヶ月〜1年以内
- 不動産取得税(自治体から納付書が届く)
- 翌年度以降、継続して毎年
- 固定資産税(年1回〜分割で納付)
- 都市計画税(該当する場合)
- 将来(売却など)
- 譲渡所得税(売却益が出た場合)
- 贈与税(資金援助を受けたとき等)
具体例で「合計どれくらいかかるか?」をイメージしてみよう(簡単な例)
ここからはイメージ例です。実際の数字は物件や地域、契約条件により変わります。正確な額は専門家に確認してください。
条件(仮定)
- マンション本体価格:3,000万円(税込、建物+土地)
- 登記の課税標準や固定資産税評価額は簡略化して「評価額=購入価格の70%」と仮定(実務では違います)
- 税率は説明の都合上「目安」として示します(実際は自治体・条件で異なります)
- 印紙税(契約書)
- 契約金額3,000万円 → 印紙税は契約金額区分に応じて数千〜数万円(ここでは仮に 1万円 とする)
- 登録免許税(所有権移転 + 抵当権設定)
- 課税標準(仮)=3,000万円 × 0.7 = 2,100万円
- 税率(仮定)0.4% → 2,100万円 × 0.004 = 84,000円(所有権移転)
- 抵当権設定(税率仮定0.1%)→ 2,100万円 × 0.001 = 21,000円
- 合計=約105,000円
- 不動産取得税(仮定税率3%)
- 評価額(仮)=2,100万円 × 0.03 = 63,000円(ただし住宅用軽減で減る場合あり)
- 固定資産税・都市計画税(年間)
- 評価額2,100万円 × (固定資産税1.4% + 都市計画税0.3%) = 2,100万円 × 0.017 = 35,700円/年
合計(概算、初年度)
- 印紙税 10,000円 + 登録免許税 105,000円 + 不動産取得税 63,000円 + 固定資産税等(年) 35,700円 ≒ 約213,700円(初年度に一度にかかる大まかな見積り。実際は分割や軽減措置などで変動します)
重要:上記はあくまで計算方法のイメージです。実際の計算では「課税標準の決め方」「軽減措置の適用」「税率の違い」などで結果が大きく異なります。必ず専門家確認を!
税金を少しでも抑えるための“実践テクニック”
ここからはFPミサトが実際に教えている、賢く税金負担を抑える(合法的な)ヒント集です。
① 住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)を活用する
- 住宅ローンを組む人が利用できる最も効果の高い税制優遇。年末のローン残高の一定割合が所得税から控除されます。
- 申請方法は確定申告で、その後は年末調整で対応できるケースもあります。
② 不動産取得税や登録免許税の軽減措置をチェック
- 新築住宅や一定の中古住宅は軽減措置があることが多いです。購入前に適用条件を確認しましょう。
③ ふるさと納税や控除の併用で手取りを増やす
- ふるさと納税は税金そのものを減らすわけではありますが、実質2,000円負担で返礼品を得られる「賢い活用法」です。家計の余裕がある範囲で利用しましょう。
④ 登記や契約の記載方法を事前に確認
- 印紙税の金額は契約書の記載方法によって変わることがあります。契約の書き方(税抜表示・税込表示)を事前に確認して無駄な印紙を貼らないようにしましょう。
⑤ 支払いスケジュールを考えてキャッシュフローを整える
- 登録免許税や不動産取得税は購入後にまとまって出ることがあります。資金計画に組み込んでおくと安心です。
手続きでの注意ポイント(初心者がやりがちなミス)
- 納税通知書を放置しない:不動産取得税の通知が来たら期限内に支払いましょう。誤りがあれば問い合わせて訂正を。
- ワンストップ特例の条件を満たしているか確認:5自治体以内であるか、確定申告が不要な給与所得者かどうか確認してください。
- 書類は必ず保管:寄付金受領証明書、登記関係書類、ローン関係の書類は将来の手続きで必要になる場合があります。
- 税率は変わる可能性あり:法改正や一時的な軽減措置(期限付き)などがあり得ます。契約前に専門家に最新情報を確認しましょう。
よくあるQ&A
Q1. 中古マンションを買ったら消費税はかかる?
A1. 中古物件の売買が個人から個人への譲渡であれば消費税は通常かかりません。ただし売主が事業者の場合や新築に近い条件では建物部分に消費税がかかることがあります。契約前に確認を。
Q2. 固定資産税評価額ってどこでわかる?
A2. 購入物件の固定資産税評価額は、売主や仲介業者から情報がもらえることがあります。購入後は市区町村からの課税明細で確認できます。
Q3. 住宅ローン控除は必ず受けられる?
A3. 基本的には受けられますが条件(築年数や床面積、借入先の条件、入居年など)があります。契約前に控除要件を確認しましょう。
最後に:お財布だけでなく「心の準備」も大事です
マンション購入は人生の大きな決断。価格そのものだけでなく、「税金」「ランニングコスト(固定資産税など)」「将来の売却時の税金」まで見通しておくと安心です。
私(FPミサト)的アドバイスはシンプル:
- 数字を知る → いつ何が来るか把握する
- 専門家に確認 → 司法書士・税理士・不動産会社に聞く
- 家計に組み込む → 毎年の固定資産税などを家計計画に入れておく
これだけで「買ったけど税金で苦しくなった…」をグッと防げます。少しの準備で安心感が大きく変わりますよ🌸
参考チェックリスト(購入前にやること)
- 契約書の印紙税額を確認
- 登録免許税と司法書士報酬の見積りをもらう
- 不動産取得税の軽減対象か確認する
- 固定資産税評価額の概算をチェック(年間負担のイメージ)
- 住宅ローン控除の適用条件を確認する
- 贈与資金がある場合の贈与税確認



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